バルブレスマイクロ流体デバイス内で個別に単離されたシングルがん細胞から抽出されたヒトゲノムのシーケンスメトリック

“Sequencing Metrics of Human Genomes Extracted from Single Cancer Cells Individually Isolated in a Valveless Microfluidic Device”

個々の細胞のゲノムの配列決定は、細胞集団内の遺伝的異種性の解明を可能にします。大腸セルライン(LS174T、LS180およびRKO)系統および新鮮な大腸がん組織から単細胞を個別に捕捉し、それらのゲノムを抽出し、多重置換増幅(MDA)を用いてシークエンス解析のために調製する射出成形バルブレスマイクロ流体デバイスが開発されました。得られたDNA配列の99%がリフレンスのヒトゲノムにマッピングされ、非ヒト由来試料による汚染は確かにないことが示されました。さらに、ほとんどのリードは正しく対となり、シングルトンの割合(0.17±0.06%)は低く、ゲノム範囲は90%に近づいています。デバイス設計およびそのプロセスによって、サブナノリットル体積の抽出からマイクロリットル容量の増幅を高精度に実施できることが示されています。また、比較的簡単、安価な量産可能なデバイスを使用して高品質のシングルセルシーケンスを実現できることもこの実験のデータは示しています。

Marie, R., et al. “Sequencing Metrics of Human Genomes Extracted from Single Cancer Cells Individually Isolated in a Valveless Microfluidic Device.”
bioRxiv Feb. 1, 2018; doi: http://dx.doi.org/10.1101/258780.